
フェリー旅の魅力と事前準備
バイクごと船に乗り込む瞬間は、いつものツーリングに“とびきりの非日常”をプラスしてくれます。甲板に出れば潮風がふわりと髪を揺らし、視界いっぱいに広がる水平線が心をゆるめてくれるはず。オレンジ色に染まった夕陽を眺める時間は、まるで海の上に用意された自分だけの特等席。
まずは航路と予約のチェックからスタートしましょう。たとえば東京湾を抜けて房総へ向かう便や、神戸から四国へ渡る便など人気路線は早めの満席が当たり前。出港時刻や運賃、バイクの排気量ごとの料金、サイズ制限(125cc以下/400cc以下/制限なし)もウェブで必ず確認します。繁忙期はすぐ満車になるので、1カ月前にはオンライン予約を済ませておくと安心です。
船内での過ごし方と快適術
乗船手続きは出港の60分前までが基本ですが、港周辺の混雑や手続き待ちを考え、2〜3時間前に到着すると気持ちにゆとりが生まれます。バイクは係員の合図に従って甲板へ進み、タイダウンでしっかり固定。ヘルメットや貴重品は小さめのショルダーバッグにまとめ、船内へ持ち込みましょう。
船内には大浴場やサウナ、レストラン、売店と楽しい施設が盛りだくさん。レディースルームやパウダールーム完備のフェリーも増えているので、女性ライダーはその便を選ぶとより快適です。展望ラウンジのカウンター席に腰かけて、コーヒー片手に海を眺めながら読書や日記を書けば、ゆったり流れる船旅時間をぜいたくに堪能できます。最近は星空観察ツアーや朝ヨガなどの船内イベントも充実しているので、公式サイトをのぞいて気になるプログラムにエントリーしておくのもおすすめです。
出港・下船時の注意と安全対策
デッキは開放感満点ですが、夜間や早朝は想像以上に冷え込むことも。薄手のダウンやウインドブレーカーを一枚忍ばせておくと安心です。足元は滑りにくいソールのスニーカーやブーツがベター。
下船案内は館内放送とモニターで流れますが、耳だけだと聞き逃しがち。プッシュ通知が届く公式アプリを活用すると安心です。アナウンスが入ったら余裕を持って車両甲板へ向かい、ロープが外れるタイミングに備えてヘルメットとグローブを手の届くところに。船倉のシャッターが開き、潮の香りとともに新しい道が現れたら、エンジンを軽くひと吹かし。海の向こうで迎える朝日とともに、まだ知らない景色へ走り出しましょう。
フェリーの上で味わうゆったりした時間と、港に降り立った瞬間の解放感。その両方を楽しめるフェリーツーリングは、ライダーにとって最高のごほうび旅になるはずです。次の休暇は、愛車と一緒に海を越えてみませんか?