
サウナがもたらす心身のメリット
バイクを走らせた後の身体には思いのほか疲労が蓄積されていますが、サウナは高温環境で全身の血管を拡張し、血行促進とデトックス効果をもたらします。実際に、約96℃・湿度15%のサウナに15分間入り、約20℃の冷水を浴びるセッションを行うと、白血球やリンパ球などの免疫関連血球が増加する傾向が確認されました。さらに、定期的なサウナ利用者の約83.5%が睡眠の質の改善を実感しているという報告もあり、深いリラックス効果と良質な睡眠を得る手段として注目されています。発汗によって毛穴の老廃物が排出されることで美肌効果も期待でき、ライディング後の肌ケアにも最適です。
バイクで風を切る爽快感と、サウナでじっくり温まる心地良さ――二つの“熱”を組み合わせることで、疲労回復だけでなくメンタルの切り替えにもつながります。汗とともにストレスホルモンが汗腺から流れ出し、心地よい達成感を伴った深いリラックス状態が得られます。
ベストな温度とルート計画
サウナ室の温度は一般的に80~100℃ですが、90℃前後が最も発汗を促しやすいとされています。水風呂は14~16℃に保たれた施設が多く、30秒~90秒程度の入水で自律神経のバランスを整えることができます。
ツーリングプラン例としては、まず朝6時頃に道の駅などの集合ポイントで待ち合わせ。近隣のSA・PAを経由しながら100~150kmを走り、昼前にサウナ併設の温浴施設へ到着するルートがおすすめです。道の駅併設サウナや地方のスパリゾートは駐輪スペースが広く、ツーリング客に優しい設計がされています。
持ち物例
- フェイスタオル・バスタオル
- サウナハット(頭部を保護し、快適な発汗をサポート)
- 携帯用サウナマット(施設によっては持参推奨)
- 着替え一式(上下防水バッグにまとめる)
- ドリンク(スポーツドリンク、ミネラルウォーター各500ml程度)
サウナ→水風呂→外気浴→休憩の1セットを2~3回繰り返し、合計所要時間は90~120分を見込むと効率的です。施設利用料は1,000~2,000円程度が相場ですが、ライダー割引を実施している場所もあるため事前にチェックしましょう。
安全で快適なサウナツーリングの心得
高温多湿のサウナでは大量に発汗し、水分とともにナトリウムなどのミネラルも失われます。サウナ前後には必ずコップ1杯(200~300ml)の水分補給を行い、スポーツドリンクで電解質を補うことが大切です。サウナ直後にバイクへ跨ると立ちくらみを起こす恐れがあるため、外気浴スペースで5分程度クールダウンしてから出発しましょう。
また、走行時には汗で濡れたウェアがべたつきやすく、装備内で蒸れを招くこともあります。防水カバー付きシートバッグに速乾性インナーや追加タオルをしまい、走行風で自然乾燥させると不快感が軽減されます。夜間は標高が高いほど一気に気温が下がるので、防風インナーや薄手のウインドブレーカーを必ず携帯し、こまめに体温調整を行ってください。
バイクとサウナ、二つの“熱”を自由に組み合わせたサウナ巡りツーリングは、ただの疲労回復旅ではなく、日常のストレスから解放される特別な時間になるはずです。次の週末はヘルメットを脱ぎ捨て、サウナの熱で“ととのう”旅へ出かけましょう。